配偶者特別控除申告書の書き方4つの注意点かんたん解説

配偶者特別控除の書き方

「あなたの合計所得金額(見積額)」の書き方・注意点

所得税の配偶者特別控除申告書にはいくつか記入欄がありますが、その中の一つにあなたの合計所得金額(見積額)という項目が存在します。

見積もりとなっているのは、書類の提出が10月~11月であり、まだその年の所得が確定していないためです。あくまで現時点のままでいけばこのくらい、というおおまかな数字を出せば良く、源泉徴収票なども添付する必要はありません。

サラリーマンの場合は、給与の総額からおよその所得がわかる早見表があるため、そちらを参考にすると良いでしょう。

書き方は、区分が「給与所得」や「事業所得」「雑所得」と分かれているため、それぞれ対応する欄に金額を入れていくだけです。

ちなみに、給与収入が1200万円以上、所得で言えば1000万円以上ある場合には、そもそも配偶者特別控除は利用出来ません。副業による収入も合算が必要なので、給与以外に収入源がある場合にはしっかりと計算をしてから申告に臨むことが大切です。

「合計所得金額の判定と区分」の書き方・注意点

もうひとつ、自身の所得が関係してくる項目として「合計所得金額の判定と区分」があります。これは金額によって大きく三つに区分され、それぞれアルファベットが割り振られて判定が決まるのです。

本業・副業などすべてを合わせた所得金額の見積もりが900万円以下ならA、900万円超から950万円以下ならB、950万円超から1000万円以下ならCというように分けられます。たとえば合計で750万円の方であればAですので、書き方はAの欄にチェックを入れるだけです。

930万円の方はBとなりますし、980万円なら区分はCということになります。それぞれの区分によって控除額が細かく変動してくるため、間違えないように記入しましょう。

1000万円を超えると他の条件がどうであっても控除は受けられませんので、注意が必要です。あくまで見積もり額ですが、根拠を求められた場合には前年の源泉徴収票などを提示するのもひとつの手段と言えるでしょう。

「配偶者の本年中の合計所得金額の見積額」の書き方・注意点

続いて、本人ではなく配偶者側の所得にも条件があるため、「配偶者の本年中の合計所得金額の見積額」という項目もあります。こちらの書き方を見ていきましょう。まず、配偶者の氏名やフリガナ、生年月日などの基本情報を間違えずに記入します。

個人番号という欄がありますが、これは勤め先の指示に従って書き入れれば大丈夫です。見積もり額に関しては、本人と同様に前年のものを参考におおまかな金額で構いません。

ただし、配偶者が自営業などで事業所得を得ている場合などには経費の計算も必要になってきます。また、パートであっても複数個所で働いているケースには、それらをすべて合算しなければなりません。

この合計所得額によって控除額が異なってくるため、しっかりとした計算が求められます。所得が38万円未満であれば「配偶者控除」のほうになりますし、逆に201万円を超えてしまったら配偶者特別控除も受けられません。こちらも区分の判定があるため、額にあった判定にチェックを入れましょう。

奥さんが勤務先(パートなど)に提出すべき書類・注意点

配偶者特別控除の申請にあたり、配偶者側(パートなどで働いている側)が勤務先に提出すべきものはないかどうか、気になる方も多いのではないでしょうか。

必ず提出しなければならないものはとくにありませんが、多くの方が、前年の収入を証明する書類を勤務先からもらってそれを見積もり額の根拠としています。

また、複数のパートを行っているケースでは、所得の合計が控除対象を外れないよう、調整を勤務先にお願いすることもあるでしょう。そうしたときに申請書類を提出し、説明の材料として使うことは考えられます。

さらに、業務委託などで講師をしていたり仕事を請け負っている場合には、勤務先からの伝票等が経費として必要になることもあるため、しっかりと情報収集を行い、上司とコミュニケーションをとっておくことが大切です。

所得が制限内であることを証明するのはとても難しいものですが、職場にお願いしてシフト表などの書類や時給などが書かれた書類を添付するということもできます。