障害者手帳の福祉サービス一覧と必要な条件・注意点わかりやすい解説

障害者手帳の福祉サービス

障害手帳の福祉サービス「交通機関の料金割引」条件と注意点

障害手帳を所持者は、社会参加をするときの交通機関の料金割引制度があります。手帳は、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者福祉手帳の3種類があり、それぞれの等級などによって割引適用範囲が異なっています。

JRや国内線航空については、身体障害者手帳または療育手帳の所持者に限られ、第1種か第2種かによって割引提要範囲が異なります。JRの適用範囲は、第1種は本人と介護者1名まで、第2種は本人単独で片道101㎞以上の場合のみ適用され、割引率は5割引です。

国内線航空は昨年10月から改正があり、すべての手帳で等級にかかわらず本人及び介護者1名まで対象範囲が拡大されました。

JR以外の電車や地下鉄は、身体障害者手帳の1級から3級まで・療育手帳のA・精神障害者福祉手帳1級の場合と他の等級とで適用範囲が異なり、前者の場合は本人及び介護者1名まで、後者の場合は本人のみとなっています。

一般のタクシーについても、障害手帳を提示すると運賃割引があったり、市町村の福祉課が外出が困難な重度の障害者向けに福祉タクシー利用券の交付をしていることもあります。

障害手帳の福祉サービス「自動車税の免税」条件と注意点

障害手帳を所持している人が使用している自動車について、自動車税の免税を受けることができます。軽自動車に関しては、住居地のある市町村での減免制度があります。

免税は障害者等1人につき1台までで、市町村の軽自動車税において減免を受けている場合は、併用不可となります。減免額には上限が定められており、上限を超える場合には差額分を納付することになります。

該当等級は、自動車の所有者や運転する人、所持している手帳の種類などによって異なります。本人所有かつ本人運転の場合は、身体障害者手帳の上位等級ほど適用される範囲は広くなり、6級まで適用疾患があります。

自動車の所有者や運転者が三等親内で同居している家族の場合は、5級以下の適用はなくなります。自動車の所有者および運転者の範囲はこの2つの場合に限られます。

療育手帳については、どちらの場合もA1・A2・A3・B1までです。制震障害者福祉手帳の場合は、1級該当者のみとなります。この制度の申請窓口は都道府県税事務所になります。

障害手帳の福祉サービス「日常生活用具の給付 」条件と注意点

障害手帳を所持している人に対し、日常生活用具の給付サービスが設けられています。これは市町村の社会福祉協議会が窓口となって実施しているケースがほとんどです。

ハンディキャップ貸出事業といって、公共交通機関での移動が困難な人に車いすのまま乗ることができるハンディキャブ(軽自動車)を貸し出しているサービスがあります。

事前の利用者登録が必要で、運転者の確保が困難な場合は運転ボランティアの紹介もしてもらえます。

病院から退院する際や実家への帰省時、または日常生活をおくる上で必要とする人に対し、電動ベッドや床ずれ防止マット(エアマットレス)を有料で貸し出すサービスも提供されています。

ほとんどの地域で福祉用具のリサイクルが行われており、不要になった福祉用具を無償で提供してくれる人と、譲り受けたい人の登録とマッチングをしてくれるサービスもあります。歩行が困難なため、車いすを必要とする人に、一定期間無料で貸し出すサービスもあります。

障害手帳の福祉サービス「重度医療費の給付」条件と注意点

障害手帳を所持している重度の障害者が、医療機関で要した医療費の一部を市町村から助成してもらう重度医療費の給付制度があります。入院時の食事代などの本人負担額や保険適用外費用は除かれます。

対象者は、3歳以上(3歳未満は子ども医療優先)の人で、身体障害者手帳1級および2級を所持している・療育手帳Aを所持している・制震障害者福祉手帳の1級を所持しているなどが対象となります。

ただし、生活保護受給者や本人および扶養義務者に一定額以上の所得がある人は給付の対象外となります。負担する費用は、通院の場合は一月あたり500円(上限)で、入院の場合は一般世帯と低所得世帯で金額が異なり、一日あたりの金額が設定されています。

一般の場合は一日あたり500円で、低所得世帯は一日あたり300円ですが、いずれの場合も中学生以上と小学生までに分けて上限額が定められています。いずれも1医療機関ごとの適用となり、処方される薬は無料です。65歳以上の人は、後期高齢者医療制度への加入が要件となります。

障害手帳の福祉サービス「自立支援給付」条件と注意点

障害手帳を所持している人は、障がいの進行を防ぐことや障がいを軽くすることを目的とした医療費の給付制度である自立支援給付を受けることができます。自立支援給付には、更生・育成・精神通院と種類が分かれています。

更生支援の対象者は、18歳以上で肢体不自由によるリハビリや視覚・聴覚・言語それぞれの障害による特定の施術、心臓ペースメーカー植込などの治療を行っている人が対象となります。

費用は原則としてかかった医療費の1割負担です。育成支援は、18歳未満の人でそのままでは将来障がいを残すと認められ、外科的処置で確実な治療効果が期待できる人に適用されます。

費用は更生支援と同様に1割負担となります。精神通院支援は、精神疾患(てんかんを含む)で通院する場合、指定医療機関で医療の給付を受ける制度です。統合失調症・中毒性精神病・うつ病などの精神疾患があって、精神科医療機関に通院している在宅の人が対象になります。

費用は、前述2つと同様に1割負担となります。ただし、それぞれの制度において世帯の所得に応じて月額負担上限額が設定されています。